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2017年7月3日月曜日

Marshall 1987 MKII Lead ( 38年前の思い出を取り戻す)

Marshall 1987 MKⅡ Lead  1973年製のオーバーホールをしました。

東京都在住の N様ご所有。1979年に購入された後、1984年まで5年間ご使用になり、調子が悪くなり、以来通電なさっていなかったそうです。1979年当時、ご自分の力でだけでは買うことができず、しかしどうしても Marshall が欲しくて、御母堂さまに無理を言って楽器屋さんに一緒にきてもらい、購入なされたそうです。ご母堂さまは数年前に他界されたということで、N様にとっては色々な思いの詰まったアンプです。

こういうエピソードには弱いです。

日頃は、基板アンプ(PCB で配線されたアンプ)については修理をお断りしています。しかし今回は 精魂込めてレストアさせていただきました。

79年当時のアンプカバーが付いています。


1987 アンプの正面

アンプの背面

【受け入れ検査の結果①】 インピーダンス・セレクターについて

アンプの背面にインピーダンス・セレクターが付いています。
接続するスピーカーキャビネットのインピーダンスに合わせ出力トランスの2次巻き線のタップを切り替えます。
スピーカーのインピーダンスと異なる値に切り替えると、パワーチューブ劣化の進行スピードが早くなり壊れやすくなります。
スピーカーを繋がない状態(無負荷)で電源をオンし、スタンバイも上げてしまうと、パワーチューブの劣化は一気に加速され壊れます。

当アンプのセレクターは過去に交換されています。
交換されたセレクターに問題点が2つあります。
① つまみが大きく小さな力で回転しやすく、
  意図しないポジションに動きやすい。
② 4Ωと8Ω間の1ヶ所と8Ωと16Ω間の1ヶ所の計2ヶ所に
  何もつながっていない接点がある。
気づかずに何もつながっていないポジションにセレクターが動いてしまう可能性があります。万一その状態で誤ってパワーオンしてしまうと、アンプは無負荷の状態となりパワーチューブ(EL34)に過大なストレスが加わり、壊れます。

EL34 は 6L6GC に比べると、真空管自身からの発熱量が多く、ただでさえ自身の熱量により壊れやすい真空管です。インピーダンス・セレクターの問題により無負荷運転が追い打ちをかけると、新品を入れてもすぐに EL34 の交換が必要となります。  

インピーダンス・セレクターを良いものに交換する必要があります。
過去の修理により交換されたインピーダンス・セレクター、何もつながらない位置にスイッチできてしまう

【受け入れ検査の結果②】 電源オンするとヒューズが飛ぶ故障

・アンプのインピーダンスセレクターを8Ωに合わせ、
 テスト用の8Ωスピーカーキャビネットにつなぎます。
・電源スイッチを入れます。
・パイロットランプが点灯します。
・約1分間その状態で暖機します。
・スタンバイスイッチをいれます。
・一瞬、ガリッというようなノイズが出て無音となります。

メインの3A のヒューズは飛んでいないものの、+B 電源用の500mA のヒューズが飛びました。

2回テストし、2回とも同じ結果です。

こういう場合、+B 電源を作り出すダイオードの不良か、パワーチューブ(EL34) の故障か、フィルターキャップ(アルミ電解コンデンサー)の不良か、3つのうちのどれかが原因です。3つの中のどれが真の原因かは後程明らかになります。
左側が+B用ヒューズ 500mA、右がメインのヒューズ 3A

焼き切れた 500mA Slow Blow Fuse

【受け入れ検査の結果③】 アンプの外観検査

〇 トランスは全てオリジナルです。
     温湿度による腐食も見られず健全そうです。
× フィルターキャップ(アルミ電解コンデンサー) は
  オリジナルのまま40年間交換されていません。
     交換が必要です。
× 真空管もオリジナルのままで交換されていません。
  状態を確認したうえで必要であれば交換します。

アンプの上部、トランス、真空管、アルミ電解コンデンサー

【受け入れ検査の結果④】 回路部の目視

回路部を目視で検査しました。
アンプの下部、回路部品

a) SG Stopper 抵抗の熱焼損

V4 ポジションの EL34 用チューブソケットの足にある SG Stopper 抵抗 1KΩ-5W が人間の皮膚がやけどしたような感じで火膨れになっています。
火膨れになっている SG ストッピング抵抗
抵抗値を測定するとオープン、つまり抵抗の内部で焼ききれています。

【考察】
単にこの部分が焼ききれた「だけ」であればヒューズをとばすことはありません。
つまり、この抵抗を焼き切った原因が存在するのです。つまり、この抵抗以外にまだ不具合が存在します。このまま受け入れ検査を続行します。
SG ストッピング抵抗は内部断線しています

b) 過去の回路に対する修理や改造(MOD)

3ヶ所で抵抗が交換されています。
2ヶ所はオリジナル設計通りの値です。
フェーズインバーター回路にあるグリッドリーク抵抗は設計値の1/3 の値に MOD されています。
本来は220KΩのところ 82KΩにされています。

【考察】
この抵抗の値は高いほどパワーアンプに送り込まれる信号電圧が大きくなり、低いと小さな信号しかパワーアンプに送られません。
抵抗の上限値はパワーチューブの種類により決まっていて、Fender や Marshall などのギターアンプメーカーの人気機種はほぼ上限の 220KΩを使います。
一方で回路のレイアウト設計の問題や配線のとりまわしに問題のあるアンプは発振しやすくなります。この発振問題を回避するために根本の問題を解決せず対処療法的にこのグリッドリーク抵抗の値を落とすという手法をメーカーで使うことがあります。その典型がCBS 経営になった Fender でつくられたシルバーフェースです。
本題をこの Marshall 1987 に戻すと、このアンプはおそらく発振しやすい個体だったのでしょう。そこで発振の問題の真の原因を追究することはしないで、単純にグリッドリーク抵抗の値を下げ、パワーアンプに送り込む信号を小さくして発振を回避していたものと推測します。

使われている抵抗の種類やハンダ接合部の汚れの感じから、おそらくお客様が購入なさる1979年より少し前に MOD されたものと推測します。
Modified Grid Leak


【受け入れ検査⑤】壊れている真空管 EL34

使用されている全ての真空管を点検しました。
・プリ管 12AX7 x3本
・パワー管 EL34 x 2本

パワー管 EL34 のうちの1本で内部金属の損傷により故障しているのを発見しました。
真空管内部の熱による熱疲労で破損したものです。
500mA ヒューズを飛ばしていた真の原因はこの故障した EL34でした。

受け入れ検査④で見つかった 火膨れしていた SG 抵抗はこの壊れた真空管のソケット部に付いていたものです。真空管がまだ完全に壊れる前の劣化した状態で大量の電流が真空管に流れその大量の電流を流すのに疲れてしまって「あもうだめ」とSG抵抗が焼けきれたのです。

Broken EL34
【考察】
真空管は内臓ヒーターによりガラス管内部を熱しています。
これはガラス内部をカソードからプレートに向けて電子が飛びやすくするためです。
電子が飛ぶということはプレートからカソードに向けて電流が流れるということです。このことで増幅が可能です。しかし、内部で電流が流れると必ず熱が発生します。

ただでさえ、ヒーターで加熱している上に増幅の電流によりさらに熱が出るのです。
この熱は真空管の内部構造に使われている金属を徐々に疲労させていきます。
真空管の内部金属の疲労は蓄積し、劣化が進行します。回復はしません。
劣化が進んでくると真空管内部を流れる電流の値が次第に多くなる傾向にあります。

電流が増える--温度が上がる---劣化が進む---さらに流れる電流が増える
この悪循環を繰り返し、最後には内部でショートするか断線するかの故障となります。

内部でショート(短絡)する故障の場合、ヒューズをとばします。
内部でオープン(断線)する故障の場合、ヒューズは飛びません。その代わりヒーターの灯が消えていたり、灯は付いているものの、変な音がしたり、無音だったりします。

真空管は電源を上げ続けるほどに確実に劣化し、故障に向かっていくのです。

もちろん他の電気部品、抵抗、コンデンサー、トランスも同じく電気を通す度に寿命を減らしていきます。ただ、その寿命の長さは部品の種類により異なります。同じ部品の種類でも、使われている回路の場所により異なる電圧や電流の大きさ、それと熱の多さにより、異なります。

私が時々「人類が作ったものは必ず壊れていく」という言い回しをするのはこのことです。


【修理方針】
パワーチューブが破損していたことを受け、
パワーチューブの劣化を速めてしまう要因を潰します。
以下の項目が該当します。
① インピーダンスセレクター交換
① SG 抵抗交換
② 電源回路(整流ダイオード、フィルターキャップ)
③ バイアス回路
④ フェーズインバーター回路

また発振防止の MOD があったことから、
音に影響が少なく且つ効果的な発振対策を実施し
回路の値は1987オリジナルの値に戻します。

【作業1. フィルターキャップの交換】
Marshall 1987 は一つの円筒の中に2個分のコンデンサーの入ったブロック電解コンデンサー( Multi section Can type capacitor ) を3つ使用しています。
1970年初頭製造のまま今まで交換されずにきたため、交換しておきます。
フィルターキャップ交換前
パワーアンプ用の2つは JJ 製(黒色) に交換し、プリアンプ用の1つは F&T 製(青色)に交換しました。
フィルターキャップ交換後

【作業2. グランド配線の補強】
φ1.2mm ( AWG17~16相当)の単芯線を使い、フィルターキャップ間のグラウンド接続を強化しておきます。このことで発振に強く、ノイズの少ないアンプに仕上がります。
発振対策--- グラウンド配線の補強

【作業3.インピーダンス・セレクターの交換】
現在付いている動きやすく不安定なロータリースイッチに替えて、近年の Marshall 用のインピーダンス・セレクターに交換しました。このスイッチは一個3,000円します。
インピーダンス・セレクターの交換
インピーダンス・セレクターの交換によって出力トランスの2次巻き線とスイッチ間の配線がすっきりとしました。このことも発振低減とノイズ低減に貢献します。
配線取り回しをすっきりとさせて発振防止

【作業4. SG Stopping 抵抗の交換】
火膨れしていた 1KΩ-5W 抵抗を交換しました。パワーチューブの熱により抵抗本体があぶられるのを少しでも避けるために真空管ソケットの真上を避けて配線しています。

SG Stopping 抵抗の交換

【作業5.バイアス回路のオーバーホール 】
Marshall 1987 バイアス回路は以下の部品で構成されます。
・アルミム電解コンデンサー x2
・ダイオード x1
・抵抗 x3
・調整ポット x1

【参考: Marshall のバイアス回路の特徴】
(a) Marshall の電源トランスの2次巻き線には Fender のようなバイアス電圧専用のタップはありません。そのためパワーアンプの増幅に使う+B 電圧を流用し、比較的大きい値の抵抗を介して低い電圧を取り出し整流してバイアス用のマイナス直流電圧を作っています。
(b) Marshall のバイアス回路の特徴として、バイアス電圧の調節用ポットの配線方法がFender とは異なり、ポットのワイパー出力をバイアス電圧としては使いません。ワイパーにつながれている固定抵抗と、ワイパーと3番端子の間の抵抗値の総和の変化により電圧を上下させます。
この方式は、パワーオンした直後バイアス電圧が意図した電圧で一定になるまで時間がかかります。Fender アンプであれば電源オンして約2秒で一定値になるところ Marshall は約1分かかります。 バイアス電圧が十分な値になる前にスタンバイを上げると、パワーチューブは壊れやすくなります。

バイアス用アルミ電解コンデンサー、液漏れしています。
バイアス回路のアルミ電解コンデンサーは液漏れしており(上の写真)、とっくに寿命を迎えています。バイアス回路の全ての部品を交換し、オーバーホールしました。
EL34 パワーチューブは 多くの電流を流すため 6L6GC 等よりも早く壊れます。加えてバイアス回路が不安定であればさらにEL34 の寿命は縮まります。そのため の措置です。

当アンプの EL34 真空管故障はこのバイスアス回路のへたりが引き金となったものかもしれません。
バイアス回路のオーバーホール

【作業6. フェーズインバーターのオーバーホール】
パワーチューブをドライブする増幅段のオーバーホールをしました。
受け入れ検査④の b) で見つけたゲインを設計よりも低くする改造がされていた回路です。
発振の原因をなくさず、対処療法がとられていました。
抵抗x4 とコンデンサー x3を交換しました。抵抗値は設計値にもどしました。
フェーズインバーター回路のオーバーホール
作業の途中で発振問題の真の原因が特定できました。
フェーズインバーターからパワーチューブへ信号を送るためのコンデンサーを取り外すためコンデンサーの足を持ち上げた瞬間にポロッとコンデンサーが折れました。
ピンセットを使い軽い力を加えただけで折れました。
常に300V 近辺の電圧が掛けられ電気ストレスにより次第にひび割れが進行していったものと推測します。ひび割れしている部分が振動するとガリッというノイズがパワーアンプに送られ、増幅されて発振の症状と同じノイズが出ていたものと推測します。
早めにこのコンデンサーを交換しておれば、グリッドリーク抵抗値を下げるという対処療法は不要であったはずです。
カップリング・コンデンサーの不具合

【作業7. プリアンプ回路のオーバーホール】
プリアンプ回路の中で比較的高い電圧ストレスや電流ストレスにさらされる部品を中心にオーバーホールをしました。
抵抗 x 7、コンデンサー x 6
低い電圧で使われ、ストレスをうけにくい部位の部品は正常であることを確認し、残しています。
プリアンプ回路部分の基板
Marshall 1987 の チャンネルⅠ とチャンネルⅡの音質は極端に異なります。一方は高域が鋭く出力され、もう一方は低域が強調されモコモコします。
どちらのチャンネルも特性・個性を生かしつつ、各々のチャンネルを「使える」音にする工夫をしておきました。使うコンデンサーのタイプ・メーカーを選定するとともに値も少しづつチューンアップしています。どのメーカーのどのタイプを使うと音がどうなるかということは記載しません。写真から類推してください。
プリアンプのオーバーホール後

【作業8. インプットジャック部分の発振対策】
Marshall のアンプはノイズレベルも高く、発振もしやすいアンプです。
作業2.で行ったグラウンド配線の補強はノイズ・レベルを下げる工夫です。
これから行う作業は発振のしやすさを低減します。

インプット・ジャックの Hi 側に入力されたギター信号は
・2本の緑色ワイアー(長さ約10cmx2本)で基板に繋がれます
・基板上の2本の68KΩを通過後に一つにまとめられ1本の緑色ワイアー(長さ約12cm)によりV1 真空管のグリッド端子に入り増幅されます。

ギターの信号はハイ・インピーダンスです。わかりやすく言うと、電流の量が非常に少なく、外来からの電磁波やアンプの中の大きな信号から発する電磁波が飛び込みやすいのです。
つまりギター信号は他の大きな信号に寄生されやすいのです。
時と場所によっては Marshall アンプからラジオ放送が聞こえることもあります。

ただでさえ寄生されやすいハイインピーダンス信号であるギター信号が緑色のワイアーにより、総全長で約 32cm もの距離を無防備なまま配線されています。

アンプのボリュームが低い場合、アンプの回路から発生する電磁波も低く、寄生されることはあまりありません。しかし、アンプのボリュームを上げるとたちまちこの入力ジャックからV1 真空管に至る配線上にアンプの後段から発生する大きな電磁波が寄生してしまい、ガリッガリッとかブルブルとか不快な雑音の原因となります。この現象を寄生発振といいます。

今回実施した発振対策は
①配線経路を最適化し、インプットジャックから V1 のグリッドを最短で結ぶ
②無防備な普通のワイアーではなくシールドワイアーで配線して寄生されるのを防ぐ
この2点です。
シールドワイアーを使うにあたり、どんなシールドワイアーでも良いわけではありません。
シールドワイアーは寄生しようとする電磁波からギター信号を守ってくれます。一方で守るべき信号から少しだけ信号を削るという副作用があります。
信号をなるべく削らず、普通のワイアーとほぼ変わりのない音質のまま信号を送り届けることのできるシールドケーブルを使います。

シールドケーブルについては当ブログ中の
シールドケーブルについて
を参照ください。 
インプットジャック部分の発振対策の前後
作業8.までで一通りオーバーホールとレストアが完了しました。次はテストと総仕上げです。


【作業9. 新しい真空管を搭載しバイアス調整】
 Marshall のアンプはEL34 を使用していることと、パワーオン後にバイアス電圧が安定するまで時間を要することの2点から EL34 パワーチューブの寿命は短くなりやすいという特徴があります。そのためバイアス調整は Fender のアンプよりもシビアに行わないと EL34 の寿命がさらに短くなってしまいます。

アンプにダミーロードと電流計測計を付けてバイアス調整の準備をします。
左手前=ダミーロード、右手前=電流計測器
プレート電圧とカソード電流の両方を計測しながら適正なバイアスに調整します。
プレート電圧が何 ボルト のときに適正な電流値は何アンペアにするとよいのかは、真空管のタイプ、メーカーにより決まります。(実際には電力損の計算式を使います) この電流値(アンペア)を決定してやることがバイアス調整です。適正な電流値には幅があります。電流値を多めにするとアンプの音はおおきく なるもののパワー管は疲労しやすくなります。電流値を低めにするとパワー管の疲労は最小限となるものの音質は元気のない方向にいきます。

ここでは計器を使い論理的に最適な値に設定します。試奏段階の音を聴いて電流が少なすぎるのか多すぎるのかを判定し、最終調整を行い実践的な設定にします。
プレート電圧とカソード電流の2つを計測しながらバイアス調整

【作業10. 試奏テスト】
アンプはまだキャビネットに組み込まず、シャーシーのまま Boogie の 12インチ 8Ωのスピーカーにつないでテストを行います。
今まで行った作業に間違いのないことの検証、思い通りの音質が出ていることの検証、作業項目以外に不具合のないことの検証、これら3つを検証しました。

Marshall 1987 は 12インチ一発につなぐと少し暴れた感じで使いずらい音です。そうなることが実は正解です。この暴れたぐらいの感じが12インチ 4発で使うときに丁度良い音質となります。
テスト試奏

【作業11.ポットの交換 】
試奏の結果、ボリューム2個と Treble, Bass のポットにガリが出ているのを発見しました。

ガリのあるポットの交換
Marshall のオリジナルのポットは CTS 製に比べ、ガリが出やすく、洗浄してもガリが取りづらい傾向にあります。すべて CTS 製の新品に交換しました。
交換前のポットと新しい CTS ポット

【作業12. 最終テスト】
ポット交換を行い、いよいよ最終テストです。
今度はインピーダンス・セレクターは Marshall の定番 の16Ωにします。
今度はインピーダンスを16Ωに設定
JCM800 用の 1960A ( セレッション16Ω x4発入り) につないで試奏を行いました。
まさに Marshall 50W の音が出ました。

ギターのボリュームを絞ったり上げたりするだけで、クリーンからクランチまで自在にコントロールできます。

チャンネルⅠ では高域寄りであるものの耳に痛いものではなく、色気と艶があります。
チャンネルⅡ は低域寄りではあるものの極端にモコモコすることはなく、た単体で使える音色です。
リンクしてもいい具合にミックスされます。

エフェクター無し、ギターとシールドだけで十分に音楽的なロックが演奏可能となりました。

Marshall 1960A につないで本格的にテスト試奏
真空管については、EL 34 の交換は必須でした。JJ の EL34 を入れています。
プリ管(12AX7) はオリジナルのまま交換されておらず、壊れていないものの、劣化しています。
3本とも、JJ の ECC83MG に交換しました。
新しい JJ の真空管
オリジナルの真空管は交換した JJ の箱に入れてお返ししました。
古い真空管は JJ の箱に入れて送り返します

以上が Marshall 1987 のオーバーホール、レストアの内容です。

良きギターライフを







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