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2016年3月23日水曜日

GAMPS Single Jingle の製作 【ツイード・チャンプの進化型】

GAMPS オリジナルアンプ Single Jingle が完成しました。【2016 APR/07 スペックの項目修正】

Front GAMPS Single Jingle
キャビネットはアメリカン・パインで作られた 5F1 ツイードチャンプと同サイズ

Rear, GAMPS Single Jingle
スピーカーは 5F1 キャビネットの中に 10インチを搭載

トランスは PT 、OT 共に MercuryMagnetcis

Side, GAMPS Single Jingle
真空管は6L6GC x 1本( 5881 も使用可能 ) と 12AX7 x1本を使用したシングル・アンプです。
Control Panel, GAMPS Single Jingle
Volume pot は PEC 製、トーンポットは CTS 製、ジャックは switchcraft


【アンプのスペック】

パワーアンプ回路方式 : Class A Single ended. 

バイアス方式: Cathode Bias ( Self Bias =バイアス自動調整 )
パワーチューブ: 6L6GC x 1 (推奨メーカー JJ, Tungsol reissue, ElectroHarmonics )
                      ( 5881 も使用可能 )

プリアンプチューブ :  12AX7 x 1 ( 推奨メーカー JJ, Tungsol reissue, ElectroHarmonics, Mullard)

コントロール

Volume x1 ( PEC 製 1MΩ)
Tone x1(CTS 製 1MΩ)
Input Jack x1 ( Switch Craft )
電源スイッチ x1 (パイロットランプ内臓、両切り)
スタンバイスイッチx1 ( 両切り )

トランス

PT トランス : Mercury Magnetcis製 FTCP59/100 AC100V対応
OT トランス : Mercury Magnetics製 FTW-CHMP-OS ( 8Ω Over Sized )

キャビネット

Made in U.S.A 5F1 クローン、ソリッドパイン材

スピーカー

スピーカー: Eminence Alnico 10"
スピーカーケーブル: AIW 製 WE 復刻版
回路と真空管


OT : FTW-CHMP-OS,  PT :FTCP59/100
Control Parts
Eminence Speaker & AIW Speaker Cable

【開発コンセプト】
今回の開発コンセプトは「新しいギターを買いたいと思うとき、ギターショップに持ち運びができて、ギターの試奏に使えるアンプ」です。

ギターは決して安い買い物ではありません。高額なお金を払うのですから、じっくり試奏し納得して買うものだと思っています。

ところが、
① お店によって置いてあるアンプの種類が異なることで、試奏時のギターの出音の印象が大きく異なってしまいます。欲しい候補となるギターが A 店と B店にあるとき。A 店のアンプは Marshall の Head に 1960Aキャビネット。かたや B店では Fenderの Blues Jr.という場合。
最低でも、同じメーカーのアンプで試奏したい、最低でもコンボタイプの同程度の真空管アンプで試奏したいといつも思っています。

②試奏に使えるアンプではギターの特性や微妙なニュアンスを出し切れないときがある。
Marshall で試奏させてもらえる場合、Handwired シリーズや 1987X を使わせてくれるところはほとんどなく、JVM のようにつまみがたくさん付いているハイゲイン・アンプであることが多い。クリーン音は汚く、硬く、細く、ドライブチャンネルにしてようやく聞ける状態。でもギターの良し悪しはドライブチャンネルの音ではわかりずらいのです。
Fender が置いてあるとはいっても、Reissueのツインリバーブやデラリバ、Hot Rod や Super Sonic などのアンプが多い。同じプリント基板を使っているアンプの中で最もクリーン音の美しい、ブラウンフェースリイシューの Vibroverbならいいのに、廃番となっており、もうどこにもおいてません。

てなわけで、持ち運び可能なクリーン音が美しいハンドワイアード・アンプの開発を思い立ちました。

A) 軽くて持ち運びしやすいこと。第一の目標
手で持って駅へ行き、新快速に乗り大阪へ、梅田で地下鉄に乗り換えて心斎橋で下車、途中休憩無しで徒歩でアメリカ村まで運んでもくたびれない重量を目安としました。大阪からの帰り、京都駅で降り、そこから地下鉄に乗り、竹田で下車し、徒歩で EVG へという行程を追加しても疲れにくいことも必要です。

B) ヘッドルームが広く、歪みはじめるのは遅め、でもボリュームを12時よりも右に上げれば軽くクランチもする。試奏するギターの特性が素直に聴こえること。第二の目標
持ち運びの観点から、本体の大きさと重さは、ツイードチャンプしかありません。これ以上大きいと A) の行程で歩くのは至難の業です。ところが、ツイードチャンプそのもののデッドコピーですと、少しボリュームを上げただけですぐに歪みはじめます。内部のパワーアンプの電圧が低いことと、プリアンプの動作点を決める回路定数の設定による特性です。ギターの特性を聞き分けるには、アンプの歪みは遅いのが有効。かといって、ブラックフェースのチャンプのコピーでは中域・低域の音圧が足りません。なんとなくパワーチューブ一本しか使わないシングルアンプの限界がこの辺にあるのかなーとあきらめている人も多いかもしれません。かといってパワーチューブ 2本のプッシュプルにするとトランスの重さが一気に上がり、持ち運びに悪影響を与えてしまいます。

A) と B) は相反するところがあります。
そこが今回の開発のポイントです。パワーチューブは一本のシングルエンデド ( Sengle Ended )にこだわり、持ち運びやすさを追求します。それに加えてチャンプの音質の欠点を克服し、歪みはじめが遅く、ギターのピッキングには早く追従し、高域から中域・低域まで十分な音圧を持ったアンプを作ろう、というのが今回のテーマです。

スピーカーは 8インチよりも大きい口径にする。
パワーチューブは 6V6GT ではなく 6L6GC 系にする。(今回は 5881 を使用 )
パワーチューブにかかるプレート電圧を高くする。

ということが主な改良ポイントです。

【1】5F1 キャビネットに 10インチ・スピーカーを装着

ツイード・チャンプ 5F1 には 8インチサイズのスピーカーが定番です。様々なメーカーの 8インチを購入し試してみたものの、口径の小ささから、中・低域が物足りません。

今回のプロジェクトの前に 12インチスピーカーのチャンプを製作しています。GAMPS Triumph Uno といいます。キャビネットは Blues Jr. のものを流用して作りました。ねらいどおり口径の大きなスピーカーとシングルアンプとの相性はとても良かった。その経験から、スピーカーの径は 8インチよりも大きいのが今回の目的にかないます。しかし、この 5F1 キャビネットに 12インチスピーカーはどう逆立ちしても収まりません。

今回は持ち運びが第一目標です。Blues Jr. キャビネットではなく、コンパクトな 5F1 のキャビにしたい。そこで思いついたのが 5F1 のキャビネットに 10インチスヒーカーを取り付けることです。

バッフルボードの取り外し
新品の5F1 キャビネットのバッフルボードを取り外します。

バッフルボード
グリルクロスを留めているステープルを外し、バッフルボードからグリルクロスを外します。

バッフルボードからグリルクロスをはがしたところ
スピーカー固定用のビスを打ち直して 10インチが見事に収まりました。スピーカーは Eminence のアルニコ 10インチです。少し下につけることで、シャーシーとスピーカーのリムとの干渉を避けています。

Eminence Alnico 10"
【2】アルミシャーシーの加工

鉄製のシャーシーであれば、加工することなく、トランスの穴あき済みのものが市販で手にはいります。しかし、鉄製のシャーシーは重い。今回のテーマである持ち運びしやすくするためにはアルミ製のシャーシーが最も軽く最適です。市販の穴あき済みシャーシーの場合、既存の穴に合わせて部品配置せざるをえず、部品のレイウトの自由度は全くなくなります。アルミの無垢のシャーシーですと、ノイズの少ない、発振の起こりにくい部品レイアウトを作ることが可能になるというメリットもあります。

シャーシーの仮止め
穴開け加工をする前にキャビネットに仮止めし、スイッチやコントロールノプの位置を、ノイズや発振が少ない最適な場所に決定します。


シャーシーの仮止め裏側
このシャーシーは市販のシャーシーの中から5F1 のトランスと回路を収めるのに最適なサイズを探し出しました。ひところ前にはこういう直方体の細長いサイズのシャーシーはなかなか見つかりませんでした。オーディオ・アンプ用の平べったいものしかなかった気がします。

無垢のシャーシー
ドリル、シャーシー・パンチ、リーマー、ハンドニプラーを使い手作業で穴あけをします。

穴あけ加工の済んだシャーシー
シャーシーに開けた穴に部品を搭載していきます。下の写真。きちんと取り付くかどうか。部品間の距離がきちんと保たれていて、電磁誘導の影響を受けにくい位置にいるかどうか、を実物の部品を搭載して検証します。

部品を搭載したシャーシー
トランスは Mercury を使用。PT は元々余裕があり、 6L6をパワーチューブにしても全く問題なし。OTはオーバーサイズド( OS : Over Sized ) を使用。
MercuryMagnetics の OT と PT

【3】回路の部品のレイアウト設計とボードの製作

回路図とシャーシーの部品レイアウトをにらめっこしながら、最適な抵抗・コンデンサーの位置関係を考えて部品レイアウト図を作ります。

部品レイアウト図面の作製
上で作製したレイアウト図面に基づいてボードにドリルをし、部品をハンダ付けするハトメ( eyelet ) を打ち込んで作ります。

回路ボードの作製

【4】回路ボードへの部品取り付け

出来上がった回路ボードに抵抗とコンデンサー部品を取り付け、配線材と共にハンダ付けします。

回路ボードへの部品の取り付け

【5】 Final Assembly 最終組み立て

上で出来上がった回路ボードをシャーシーに取り付けます。
回路ボードのシャーシーへの取り付け
トランスの配線をし、スイッチ、ポット、ジャックを上面パネルに取り付けます。
下面パネルには電源インレット、ヒューズボックス、ボックス型アルミ電解コンデンサー、パワーチューブソケット、プリチューブソケット、スピーカージャックを取り付け、配線します。
シャーシーへの部品取り付け

スピーカー・ジャックの隣に付けたスイッチはテスト用で製品版にはありません。

さて、出来上がったアンプを試奏してみると、

Volume と Tone のノブを10時方向(目盛りがあれば3ぐらい)にした状態で、フルアコースティックをつなぐと、箱鳴りとおんなじ音が拡声されて出てきます。ギター側のボリュームは7ぐらいとまだ余裕があります。

Volume と Tone ノブを12時方向(目盛り5ぐらい)にした状態で、ツイード・チャンプよりもはるかに音圧があるにもかかわらず、歪みはまだ出ていません。フルアコの箱鳴りにゲインが加わり、音が太くなります。

Volume を12時を過ぎ1時(目盛り6から7) ぐらいにしたころからP-90 ピックアップのギターでは、パワーチューブのクランチが出始めます。クランチの出方はお使いになるギターのピックアップにもより異なります。ハンバッカーはもう少し早め、ストラトのシングルコイルはさらに遅めです。
かなり音圧が高く、中・低域も分厚くなります。ギターボリュームを上げるとフルアコではハウリングします。

フルアコのギターを買いにいくときは Volume 10時方向(目盛り3) で十分に試奏が楽しめそうです。これ以上 Volume を上げるとお店の迷惑にもなるでしょう。

Youtube に音をアップできましたら、またご報告します。

では良きギターライフを
GAMPS Single Jingle










2015年8月20日木曜日

ツイード・チャンプ・アンプ Fender Tweed Champ

私のウェブサイトに Fender のギターアンプのうち ブラックフェース とシルバーフェースについて詳しく解説しています。参照URL: http://www.eonet.ne.jp/~amp83/tech.html#info2 

このブログではFender の Tweed Champ に焦点をあてて少し解説しておきます。
その回路の特徴と音質について、かいつまんで解説します。
その他の詳細な情報は ampwares を参考にしてください。
ampwares のURL: http://ampwares.com/page/2/?brand=fender&line=champ

【1.】ツイード・チャンプ Champ  5C1, 5D1, 5E1, 5F1
回路図は 5C1 から 5F1 まであります。1950年代初頭から後期まで 4種類の設計の違うアンプがあります。

〔4種類の共通部分〕
・整流菅が5Y3 であること
・パワー菅が6V6 x 1本のシングルアンプであること
・パワーアンプはカソードバイアスであること
が5C1 から 5F1 までの共通部分です。

キャビネットの大きさ、板の厚み、スピーカーの種類・大きさ、出力トランス、プリアンプ部分が異なり、ひとくくりにツイードチャンプといっても音が大いに異なります。

では5C1, 5D1, 5E1, 5F1 の各々の特徴は、以下に述べます。

【5C1 の特徴】1953-1955
・プリ菅: 6SJ7 x1
・スピーカー 6インチ x1
・出力 4W
最近、ちょくちょく修理依頼が来るようになった 5C1 チャンプです。
その最大の特徴は、音が小さいことです。完璧な状態の回路を試奏すると
ほんまに音が小さい!!!

スピーカーが6インチと小さく、出力4W に見合った小型の OT ( 出力トランス ) であることなどが
音が小さいことに寄与しています。

ところが増幅回路の観点から、もうひとつ特筆すべき大事な部分があります。
それはプリアンプの回路です。プリアンプの増幅段が一段しかないのです。
5E1以降の機種は増幅段が2個あります。
6SJ7 という真空菅、ソケットは8pin OCTAL でパワー菅と同じソケットです。
ところが、この6SJ7には増幅素子が一個しか入っていません。

ギターの信号→〔プリアンプ増幅〕→ボリューム・ポット→〔パワーアンプ増幅〕

という超シンプル構造なんです。
そのサウンドは、おとなしい。ボリュームを上げても、うるさいというレベルにはこない。
コード弾きのときの各弦の分離感は「まあまあ」。決してきれいに分離するわけではありません。
しかし、分離感が悪いとまではいかないレベルです。
これはプリアンプで中域を削る加工をせず、そのままパワーアンプにつなげるという回路のツイード・アンプ全般の特徴でもあります。

JPEG 5C1
Champ 5C1 のリアビュー

【5D1 の特徴】
回路図がなく、また実物にお目にかかったこともなく、ここではスキップします。
5C1 と、酷似しているということでお茶を濁しておきましょう。
ampwares では 5C1 と 5D1 を同じ扱いにしています。

【5E1 の特徴】 1955-1956
・プリ菅: 12AX x1
・スピーカー 6インチ x1 もしくは 8インチx1
・出力 5W
5C1 と比較して、最大の特徴は、なんといってもプリアンプが 6SJ7 から 12AX7 になったことです。
12AX7 は 9 pin の小型ソケットを使います。その小さなガラス菅の中に増幅素子が2個入っています。
ギター信号はプリアンプ増幅を2回行なってから、パワーアンプに送られることになりました。

ギターの信号→〔プリアンプ増幅〕→ボリューム・ポット→〔プリアンプ増幅〕→〔パワーアンプ増幅〕

パワーアンプは同じ 6V6 であるのに、プリアンプから送られてくる信号は 5C1 のときよりもはるかに大きな信号が送られることになりました。
5C1 に比べると明らかに音圧が高まっています。さらに、ボリュームを上げていくと、いわゆるパワーチューブの歪みが得られます。
しかし、歪み過ぎて何の音かわからなくなってしまうようなアンプの電気的な暴走を防ぐために NFB ( Negative Feed Back ) が付けられました。

後述する、5F1 ととても似通った回路をしています。回路図を漫然と眺めると、おんなじかなと勘違いしてしまいそうです。しかし、5F1 と明らかに異なる部分があります。
それは 「チョークインプット」という整流方式を使っていることです。

整流菅というのは交流を直流に整流する機能を持っています。しかし、整流菅単体だけでは完全な直流は作り出せません。整流菅の直後の電圧は脈流といわれる、デコボコした波形です。ここにコンデンサーもしくはコイルをつなぐことで、デコボコをならす必要があります。
コンデンサーをつなぐ方式を「コンデンサーインプット」と呼び、コイルをつなぐ方式を「チョークインプット」と言います。
5C1 と 5F1 はコンデンサーインプット方式であり、5E1 だけがチョークインプットです。

この違いが音の差となります。
チョークインプット方式のアンプの場合、ガツンとギターの弦を弾いたときのレスポンスがスポンジー( やわらかく) に感じます。コンデンサーインプット方式のアンプはガツンという感じがダイレクトに出力されます。
ギターアンプではコンデンサーインプット方式が大勢を占めます。オーディオ・アンプではチョークインプットはいまだに使われます。ギターの弦を弾くときの激しい音圧差を表現する必要はなく、むしろチョークインプットのハムノイズの少なさのほうに着目して使われているのだと推測します。

チャンプ以外のツイードでもこのチョークインプットは使われています。
Bassman 5E6-A,   Twin 5E8-A などです。
クラプトンやキースリチャードの要望でFender が作ったと言われている近年版の 57 Twin も revision A の回路図( Schematic )ではチョークインプットです。
〔少しだけ脱線〕
近年版の Fender アンプはこの revison の違いにより回路がかなり異なるので要注意です。
Vibro king や Tone Master の Revision A は良い音のアンプです。しかし、Revision を重ねる度に改善とはいいがたい変更が入れられているように感じています。( Revision B 以降 )
ではその Revision の見分け方ですが、残念ながらただひとつだけです。ご自分のアンプの回路を回路図と照らし合わせるしかありません。
また暇ができたときに VibroKing と Tonemaster の Revision 毎の差についてはお話します。
〔話を戻します〕
コストの面でいうと、チョークインプットに使うトランスは通常のCT ( チョークトランス) に比べると高価です。( 話が長くなるので、通常にのCT の詳細説明はどこか後で行います。)
アンプの増幅に使う全ての電力を通すだけの耐電力がチョークインプット用のトランスには必要です。
興味のある人は参考までにノグチトランスのホームページでチョークインプット用のトランスのお値段といわゆるチョークトランスのお値段を比較なさるとよいでしょう。


【5F1 の特徴】 1956-1964
・プリ菅: 12AX x1
・スピーカー 8インチx1
・出力 5W
ツイードチャンプといえば 5F1 回路が有名です。デレク・アンド・ドミノスのアルバム「レイラ」でのクラプトンのプレーで有名なアンプ。レコード( 私はCD ではなくレコードで持っています ) を聞くと、小さめのスピーカーで歪んだ音のリフが聴こえてきます。あの音です。
回路はほとんど5E1 と同じ。一ヶ所だけ整流菅のインプット方式がコンデンサー・インプットであることが異なります。

サウンドは 5E1 よりもパワフルです。パワーチューブの歪みもよく出ます。

私個人的には、あの歪みやすさは使いずらいです。クラプトンのプレーをするにはいいんですが、クラプトンほどの腕はありません。むしろ、もっとクリーンに鳴らしたいときにつらい。テンションを含んだコードを弾くと弦の分離がよくありません。

近年版の Hand wired の 57 Tweed Champ も 5F1 回路のデッドコピーです。
音も似たような感じに良く歪むアンプです。
JPEG Kendrick Champ
Kendrick Champ circuit



【2015年11月追加記事】

a) 5F1 に使われている真空管は全部で 3本です。
5Y3GT : 整流管、交流を直流に変換し、アンプのエネルギーを供給します。
6V6GT : パワーアンプ、出力トランスを介してスピーカーを鳴らします。
12AX7 : プリアンプ、ギターの信号を増幅し、Volume で調節した後パワーアンプへ送り出します。

このシンプルな構成のメリットのひとつは、
真空管のメーカーによる音質・音圧の差を聞き分けやすいことです。
JJ, EH, Tungsol などなど様々な現行メーカーの真空管の音を聞き分けて自分なりの理解を得るのにとても重宝します。
真空管だけでなく、スピーカーケーブルも顕著に音の違いを聞き分けることが可能です。

もちろんスピーカーのメーカーによる違いを聞き分けることが可能です。
ただしスピーカだけはインチの違いによって同じメーカーでも異なった感じになります。
そのため、チャンプの 8インチでよいからといってデラリバ 12インチにも通用するかといったらそうとはならない可能性があります。注意してください。
JPEG Testing Speaker
ツイード・チャンプで SF チャンプのスピーカーを鳴らしているところ


b) チャンプはツイードもBFもSFもパワーアンプは自己バイアスです。
パワーアンプのバイアス調整は不要。
今ついてるメーカーと異なるメーカーの6V6GT 真空管を入れても、動作が不安定となることはありません。当然ですが、音質や音圧は変化します。

だからといって 6V6GT よりも増幅率の高い 6L6GC を使う時には注意が必要。
出力トランスと電源トランスに余裕があること。
新しいマーキュリートランスを使っている場合は、許容の範囲です。
しかし、とても古くなったヴィンテージのトランスをそのまま使っているときはトランスは老朽化しています。出力の高い真空管の電気ストレスにより、ヴィンテージ・トランスが壊れることもあります。

c) ブラックフェースやシルバーフェースとの違い。特に音に影響する部分
① 出力トランスの特性が異なります。
② プリアンプ回路。Trebleや Bass のポットで削られない分ゲインが高い。
③ NFB の値がちいさい。
  NFBを大きくするとアンプは安定するかわりにおとなしくなります。
  NFB が少ないことで元気のある音になります。
JPEG SF Champ
SF Champ


【2】それで……
5F1 の長所でもあり、短所でもある「歪み易さ」「簡単にひずんだ音が出る反面高い音圧でクリーン音は出しにくい」を改善したシングルアンプが GAMPS の開発する次期 オリジナルアンプです。

そのうちご報告します。
JPEG Original Amp
オリジナルのシングルエンデドアンプのプロトタイプ