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2022年10月2日日曜日

Crate VC508 single ended guitar amp

 Crate VC 508

動画 MOD 後のサウンド

プリント基板を使い、プリアンプ一部が IC回路のアンプは
常にディストーションつなぎっぱなしのような音でした。

これをハンドワイアードのオールチューブ回路にMOD したら、
どんな音になったのでしょう ? 

動画を作製してみました。ご覧ください。



本文

さあてと、次の仕事にとりかかろうと思った矢先、「私自身がギターを練習するための、アンプが一台も無い !!!」ということに気づきました。

2021年 6月20日に Fender Super Champ をブログ掲載しました。
アンプのプリアンプ感度設定が良く、オーバードライブ機能を使わずともストラトやテレキャス等のシングルコイルギターでも簡単にクランチ・サウンドが出せ、いつまでも弾いていたくなり、練習用アンプとしては最適でした。しばらくは手元にいてくれることを願いながら丹念に1か月半の月日を費やして製作しました。ところが願いもむなしく、早々に売れてしまい、手元にはありません。中古在庫も無し。

Fender vibro champ を mod しPrinceton の回路に改造した Champrinも手元に残っていません。(中古在庫にあと一台 Vibro Champは有ります。将来製作予定)

Browny G3 も SingleJingle も自分の練習にも使える設計をしたはずなのに手元にはもうありません。(新品キャビネットの在庫無し、トランス在庫も無し)

新しいオリジナルアンプ2510の製作に専念するにあたり、作業のかたわら、休憩時間にギター演奏してリフレッシュすることが私の精神衛生上大切です。そのための練習用アンプが必要です。

在庫しているヴィンテージアンプ置き場をしばらく眺めることに。数台の Fender シルバーフェースに混じってひっそりと隠れている小さなアンプを見っけ。これこれ。こいつならキャビネットが小さく、仕事場で場所をとらない。自分が練習に使うという目的に合いそうです。ただし元々のサウンドは貧弱。大幅なレストアとMOD が必要です。

front view of Crate VC508 amplifier

90年代後半に買った Crate VC508 
オールチューブのシングルアンプという宣伝文句と値段の安さが売りのアンプだったと記憶しています。
何故かエフェクターの歪みサウンドが支配的な音でした。ゲインを最小にしても歪んでおり、オールチューブというにはあまりにお粗末なクリーン音です。チープ( Cheap 安っぽい)としか表現しようのない音質に購入後3日ほどで飽き、20年以上埃をかぶって寝ていたアンプです。

Crate VC508 Schematic diagram, marked up
回路図を見ると、
ギター信号入力直後にオペアンプICで構成される回路、いわゆるエフェクターのオーバードライブ回路(回路図の赤い囲い) があり、ここで歪み音を作りゲインのつまみを経てから、 12AX7(回路図の緑の囲い) に信号が送られ、トーンコントロールとボリュームの後にEL84 パワーアンプヘ行き、OT を介してスピーカー出力している。
つまりアンプの中にオーバードライブ・エフェクター( オペアンプ )を内臓しているアンプということがわかります。
注: オペアンプとはトランジスターを使った増幅素子が2個内臓された IC のこと
input jack, gain, tone, volume
コントロールパネルは左から
Input, Gain, Tone, Volume, Line out, Pilot lamp, Power Switch

Back panel removed to expose internal circuit
バックパネル を外すと、当然のごとく PCB プリントサーキット基板が使われています。よく観察してみると
・基板へのシャーシー取り付け
・基板直付けの真空管ソケットのハンダ付け
・配線の太さ
・使われている抵抗とコンデンサーの品質
は、アンプの新品価格の安さにしては意外としっかりとしています。少なくとも もっと価格の高いMesaBoogie よりは信頼性が高そうでFender のリイシューシリーズや Twin Amp よりは少しだけ劣るかもという感じの基板が付いています。少し驚きました。

しかし、プリントサーキット(PCB) の音の特性から逃れることはできず、ハンドワイアード回路の音の繊細さや音の太さとダイナミックさは出せるわけもありません。低価格なアンプゆえ当然といえば当然です。

このプリント基板のままオーバーホールして使うことは選択肢としてはあり得ません。
ハンドワイアード化が必要です。
オールチューブの持つ美しいクリーンが出てくれないと楽しく練習できません。
エフェクターの歪みは、早いパッセージが楽に弾け、かっこいい感じはするけど誰が弾いても同じ音がしてしまうところが嫌なのです。

単純にハンドワイアードにするだけではなく、新しく回路設計をやり直し、新たなレイアウト設計も同時に行い配線をする必要があります。
close up of the inner parts

セレッションの 8 インチスピーカーはこのまま流用します。完成後に試奏してあまりにもお粗末な音であれば手持ちのストックと交換します。
8 inch Celestion Speaker is mounted

キャビネットに付いているハンドルは柔らかく、持つとグニュッとスポンジーな感触がします。細かい部分ながら、この違和感がとても嫌いです。普通のハンドルは中に金属の板を入れ、剛性と耐久性を高めているものです。このハンドルは中に金属板が入っておらず、ゴムだけなのでグニャグニャです。もっと剛性感のあるしっかりと持てるハンドル(在庫)と交換しておきます。
Replaced with more stable one


シャーシーの外観、搭載パーツは左から 
PT ( 電源トランス ) , EL84 power Tube, 
12AX7 pre tube, OT ( 出力トランス )

トランスはこのまま流用します。
どうしても音にならないときにだけ交換します。

プリ・アンプのゲインを上げるため12AX7 を一本追加する必要があり、それに伴い、真空管レイアウトも変更します。
From left to right,  PT, EL84, 12AX7, OT

1. シャーシーから基板を外して
removing Printed Circuit Board

2. 新しく回路設計をします
元の回路とは全く異なる新規の回路図を製作します。
(トランスは流用)
designing new all tube circuit for VC508

3. 回路図を元にレイアウト設計
新規に作図した回路図を元に、適正な部品配置の検討を何度も重ねレイアウト設計を実施
designing parts layout based on the new circuit diagram

4. 回路部品を載せるボードを製作
レイアウト設計に基づきボードを製作し、
a) アイレット用の穴あけ
b) アイレットの打ち込み
c) グラウンド母線の製作と取り付け
d) 真空管ソケットの取り付け
を行いました。

VC508 のキャビネットは限界ギリギリまで小さく、余裕がありません。シャーシー上の真空管を取り付ける空間も限られています。シャーシー上の好きなところに真空管を取り付けることはできません。元の真空管取り付け場所を踏襲し、回路ボードに真空管ソケットを取り付けています。
eyelet hole, ground bass and tube socket has been installed

5. 回路ボードにパワーアンプ周りの部品搭載
installing cathode bias and drivers energy cap

6. パワーアンプ・ドライバー回路の部品搭載
installing power amp driver elements

7. プリアンプ回路の部品搭載とハンドワイアード
installing pre amp elements

8. 回路ボードをシャーシーにマウントし、各種ポットとハンドワイアードする
Hand wired circuit board has been mounted on chassis and hand wired to several pots

9. 電源回路ボードのシャーシーマウントとハンドワイアード
写真の上部、大きめのアルミ電解コンデンサーが載ったボードが電源回路ボード
Rectifier Board has been monted

作業前と後の比較

真空管のレイアウト変更
コントロール・ノブの変更
amp chassis before and after the rework

これで完成です。
写真は取り外した基板と完成したアンプの内部回路
new circuit board and removed P.C.B

新しくなったアンプのコントロールパネル
左から
Input , Gain, Tone, Middle, Master
from left to right, input, gain, tone, middle and master

Gain :プリアンプ初段のボリューム
Tone :2連ポットでTrebleとBassを連動させています。
センター(12時の位置)で Treble =5, Bass =5の状態、
そこから右に回すと Treble 増、Bass 減、
左に回すと Treble 減、Bass 増。
Middle だけ独立させ、操作性を向上。
Master は 10 の位置でマスター無しと同じ音圧。

使いやすいアンプに仕上がりました。

2017年10月1日日曜日

Hand wired Stomp Box ハンドワイアードでエフェクター作っちゃいました

Gamps Project #4

エフェクター
ギターとアンプの間につなぎ、音を変化させる小箱
フットスイッチでオン・オフ する
英語では Stomp box

Handwired Stomp Box

トランジスター回路を 9V 電池で駆動させるのが一般的
プリント基板(PCB) 配線 が主流
エフェクター自作本もプリント基板ありきで書かれている


【過去の経験】

たくさん買った
所有していた歪み系エフェクターの一部

複数エフェクターを直列につなぐと、ギター音減衰、ノイズ増大
プログラマブル・スイッチャーにして改善
下の写真:1999年~2000年11月
Effectore with Providence switcher

一台に複数エフェクト内臓のマルチエフェクター
音色はそこそこ、ノイズも多く、期待外れ
下の写真: Digitec RP7。2000年2月~10月。
Digitec RP7

厳選エフェクター3台に絞り込み
スイッチャーもシンプルに
これで少し改善
しかし、これが限界
下の写真: 2000年11月~2002年
My Last Effector Board


値段の高いエフェクターなら、音は良くなるものと信じていた
パッチケーブルも当時ベストのものを試す
しかし、どんなに高いエフェクターを買っても音に不満

原点に返り、ギターとアンプの間はシールドケーブルだけにする
2003年~現在

【エフェクター製作の動機】
エフェクターには懲りたはずの私がエフェクターを作る動機は……

エフェクターは基板(PCB) を使って回路配線されている
基板(PCB)を使ったエフェクター回路
このプリント基板配線が原因で音に飽きがくるのでは?
という単純な疑問

しかし、推測でしかない

ハンドワイアードで作ってみたら良くなるのではないか

長年思い続けて、今日に至る

10年以上抱き続けた疑問にそろそろ終止符を打とう


トランジスター相手に作業をすることにした

AC128
はじめてトランジスターに触れたのは小学校5年生
一石ゲルマニューム・ラジオを作った、懐かしい

AC128  PNP ゲルマニューム・トランジスターを使う


【エフェクターの筐体加工】
Takachi のアルミダイキャスト・ボックス
ポット、ジャック、フットスイッチのレイアウト設計
回路はシンプルな Rangemaster を参考に、実装設計
アルミダイキャスト・ボックス、レイアウト設計、回路設計

無垢のアルミ箱に穴あけ
穴開け

【部品取り付け】
ポット x1 , LED x1, Jack x2 、フットスイッチx1
ポット、LED、フットスイッチの取り付け

エフェクターは入力ジャックにステレオ用ジャックを使う
シールドがささった時だけ電池から電気が流れるようにするため

ジャックとフットスイッチにあらかじめ配線をしておく

9V 乾電池ホルダーも配線
真空管アンプと異なり、PNP トランジスターは
電池のプラスをグラウンドにし、マイナス電位で増幅動作をさせる
ジャックとフットスイッチに配線



【ボード作成】
電気部品をハンドワイアードするためのボード作り
ギターアンプで使う回路ボードの切れ端を流用
ハトメはアンプ用よりも一回り小さい径を使う
回路ボードの作成、ハトメ取り付け

大きい径のハトメはグラウンド母線用
低ノイズ化の要

Handwired board and circuit layout ducument


【電気部品のアッセンブリー】
部品をボードに載せてハンドワイアー

Tungsram AC128V PNP Ge Tr. x1
Kamaya 1/4 W カーボン・コンポジット抵抗 x 5
Nichicon アルミ電解コンデンサー x2
ASC フィルムコンデンサー x1
WIMA フィルムコンデンサー x1

グラウンド母線は 4N 純銀線にして理想的なゼロ電位を確保

回路のアッセンブリー完了

ボードの裏側
黄色と青の配線材は Cloth wire 、結合容量を低減
シールドケーブルは Lava、線間容量を低減
回路ボードの裏側


【回路と筐体のアッセンブリ】
回路ボードと本体の接続

回路ボードと本体

回路ボードとフットスイッチ、ジャック間の配線をハンダ付け

True bypass ( トゥルーバイパス) はフットスイッチの端子間で完結
音の減衰を極力少なくする
Complete

動作確認
動作確認

【テスト】
Testing stomp box
【テスト結果】
・ノイズは極小
・エフェクターつながない時と変わりない

・バイパスしたときの音の減は無い

音質  (自画自賛なのでそのつもりで)
・ シンプルな一石回路で必要十分な歪み
・クリーン音の延長上にある違和感の無いブースト感
・ピッキングダイナミクスもある
・ Full Drive で感じた「音が暴れる感じ」は全くなく、自然

音質についちゃ、言葉だけでは信用できないでしょう

何人かの人に試してもらうつもり

【結論】: 私の推測は正しかった
エフェクターもハンドワイアード配線なら音が良くなる

但し、今回テストしたのはシンプルな回路である

複数の ICや、マイコンを搭載する場合は、ハンドワイアードにしても効果は少ない
理由は IC 内部やマイコンのチップ内部が既に薄膜配線であるから

ハンドワイアードはシンプルな回路のエフェクターに有効


良きギターライフを

2017年9月26日火曜日

Guitar circuit grade up and P/U change

GAMPS project #3

Gibson Les Paul Faded 2017の回路をグレードアップした上で、
ピックアップ交換し、サウンドの短所の改善をしましょう。

今回のProject のテーマは
①ギターの音質を汚く感じるのはプリント基板配線のせいなのか
②ハンバッキングでもノイズが多い現状、シングルコイルに変更して
  ノイズのレベルを低くできるのか

です。
Before and after
 
【現状のサウンドの短所】
・ピックアップ 490R , 490T が歪みやすく、歪み音が汚い(私的に)
・ノイズが多い(ハンバッキングとは思えないぐらいうるさい)

まずコントロールキャビティーを覗いてびっくり。

・なんだこれは ?  こりゃー基板だー!!!
上等なアンプにつないだのに基板の音がした原因はギターのプリント基板でしたか。

ボリュームポットx2 とトーンポットx2 とコンデンサーがプリント基板化されています。
ピックアップ線とスイッチを往復する線はコネクター付きです。
コネクターをつなぐだけで配線が完了。
つまり、ギター本体の木工部が完成したら、
電気回路はハンダ付不要でコネクターつなぐだけでギター完成
という「製造工程の短縮化」がねらいの設計です。

1983年製のギブソン・レスポール・スタンダードのコントロールキャビの中を見て以降、その後レスポールのコントロールキャビティーの中身がこんなに変わったのを知りませんでした。

83年当時でさえ、ポットはきちんとハンドワイアードでした。
 
・キャビティーに一切耐ノイズシールドが無い
 なんだーこれはー !!!
 ノイズが多くてあたりまえ。

   シールド無し = 工程簡略化 = 人件費削減 = メーカーの利益
Control cabity
しかし、
プリント基板 x シールド無し= 工程簡略化 = 大量生産 = 低価格販売
という側面もあり、安い値段で Gibson が買える理由でもあります。

私の場合は、ギター回路は全てリフレッシュするつもりで買ったため、文句はありません。

【パーツの取り外し】
ジャック配線、ピックアップ配線、スイッチ配線の3種の配線と基板を繋ぐコネクターを外し、ポットとコンデンサーの付いたプリント基板を取り外します。
Removing PCB of pots

次にジャックを取り外します。なんとジャックもスイッチクラフトではなく、プリント基板の付いたジャックでした。
Removing Jack

ピックアップ切り替えスイッチを外し、ピックアップも取り外します。
Removing switch

ギターから全ての電装部品を取り外しました。
All electrical psrts removed

【考察】

1. ノイズ対策を施し、現状よりも低ノイズにする

2. 2個付いているトーンコントロールを1個にし、
 空いた場所にピックアップ切り替えスイッチを付ける。

下の写真に描いた線は Gibson オリジナルの配線のときの配線材を表しています。
ピックアップの信号は一旦各々のボリュームポットに入ります。(青色と黄色)
トーンコントロールで音色調整します。(黄緑)
ボリュームポットからネックの根本にあるスイッチに行きます。(青色と黄)
スイッチを通過した信号は後戻りしてジャックに向かいます(白色)

このようにギターの中を行ったり来たりすることにより配線の総全長は長くなっています。
配線の長さが長いと、ノイズを拾いやすくなると同時にシールド線の分布容量によりギター信号がたくさん削られ、私が汚いと感じる音になります。
Gibson Original wiring

トーンコントロールを一個にし、取り外したトーンコントロールの場所にスイッチを移植するMOD をすると、下の写真のような配線材となります。
ピックアップの信号は各々のボリュームポットに入り、その後スイッチに向かいます。(青色と黄色)
スイッチの出力でトーンコントロールします。(黄緑)
スイッチからジャックに向かいます。(白色)
ギターの中をいったりきたりする配線の長さを短くすることができます。全部で約1m20cm ほど。

配線を短縮できる分、ノイズを拾いにくくなると同時にシールド線の分布容量も減り、ギター信号の削られる量を少なくできます。
Improved wiring by relocating P/U Switch


【スイッチ取り付けのための加工】
トーンコントロールの一か所をスイッチに変更します。そのためには取り付けの穴の部分の板厚を少し薄くします。このモデルのボリュームポットとトーンポットはロングシャフト用を使うため、取り付け穴の板厚も厚くなっています。
一方でスイッチのシャフトはポットのショートシャフトと同じ長さしかありません。そこでスイッチを取り付ける場所の穴の周りだけ板厚を薄くします。
Control Cabity

20mm 径のドーナツ型のスペーサーを作成します。下の写真。
スペーサーの作成

作成したスペーサーを両面テープで貼り付けてドリルが動かないようにして20mm径の穴をざぐります。
スペーサーに沿わせてドリルで板厚調整

写真の右下の穴だけ板厚を薄くし、スイッチ取り付け可能となりました。
スイッチ取り付け用の穴

【キャビティーのノイズシールド】
アルミのシートを切り、穴開けをしてコントロールキャビネットに貼り付けます。またキャビティーの蓋の裏側にもアルミのシートを貼り、蓋を閉めたとき、回路部分がアルミで覆われるようにします。
導電塗料はどんなに優秀なものでも抵抗値があるためシールドが不充分となります。今回はサンハヤトの高周波シールド用のアルミ箔テープ使いました。

アルミ箔は弦アース(テールピースのスタッド金属と繋がっているアース線) と導通を取る必要があります。今回は弦アースの線をラグ端子につなぎ、ラグ端子をアルミの上からネジ留めしこのポイントを一点接地の要とすることでシールドを完成させます。キャビティーをシールド化するだけで、弦アースとの接合を怠ると、ノイズは逆に増えるので要注意です。
コントロールキャビティーのノイズ対策シールド

【 CTS Custom ポット】
ポットは全て CTS Custom ポットのロングシャフトを使います。
フロントピックアップのボリュームはスイッチなし。
ブリッジピックアップのボリュームはスイッチ付きにし、ハンバックとシングルを切り替えます。
トーンコントロールはスイッチ付きにして、2種類のコンデンサーを切り替えられるようにします。
CTS custom pots
【使うコンデンサー】
オイル・ペーパー・コンデンサー
 .022μF 1000V Vitamin Q(Toichi)
 .015μF 400V Cornell Dublier
の2つをスイッチ付きポットで切り替えられるようにします。

当初は .022 だけにする予定でした。しかし、Jason Lollar 氏のお勧めが .015 ということを Lollar のサイトで知り、ならばと .022 と .015 で切り替えられるようにしたものです。
オイルペーパーコンデンサーは、「いつかギターの回路を触る日が来る」という思いから随分昔に買いためておいた秘蔵っこです。
Two Oil Paper cap

Cornel Dublier は Outer Foil のマーキングが無いため、Outer Foil の端子を計測により割り出しておきます。
注)Outer Foil とは、当ブログのフィルム・コンデンサーの向きについて
を参照ください。
Outer Foil checking

【ポットとスイッチの取り付け】
Volume ポット x2 、Tone ポット、スイッチを取り付けます。
Pots and switch installation


【ブリッジ・ピックアップ】
 Dimarzio の DP163 Bluesbacker にします。
ハンバック 構造ながら音はシングルコイルという触れ込みに乗っかりました。
Seymour Duncanの SPH-90 Phat Cat も検討したものの、わざとらしさの少ない素直な音作りの印象の強い Dimarzio にしました。

15年ほど前、エフェクターをつないで演奏していた頃の私は、ブリッジピックアップばかりで演奏していました。しかし、最近は、アンプ直で、ネックピックアップしか使わないので、まあなんでも良いといえばよいのです。
万一、ハンバック特有の音の遅さが気になることがあればシングルに切り替えられるようにスイッチ付きボリュームを使い配線しておきます。
Dimarzio DP163 Bluesbacker

【ネックピックアップ】
Lollar の Single coil for Hambacker にします。
P-90 をハンバッカーサイズにしたピックアップです。
参考にしたサイトで Rating 5 と最も評価が高く、入手が比較的容易ということでこれにしました。
リンディーフラーレンの P-92 も検討しました。しかし、参考にしたサイトでは Rating 4.5 だったのと、ストラトみたいな音という印象があり、Lollar にしました。

参照サイトhumbucker sized p-90 review page4

Lollar  single coil for hambacker

【配線】
ピックアップの配線とボリューム・ポット、ボリュームポットからスイッチへ、スイッチとトーンポット、スイッチとジャックの配線を済ませました。

下の写真の中央のラグ端子にグラウンドを全てつなぎ一点接地にし、ノイズ対策しています。一点接地につなぐものは以下の6つ
1) 弦アース
2) 各 Volume ポットのグラウンド
3) スイッチのグラウンド
4) Tone ポットのグラウンド
5) シールドのグラウンド
6) コントロール・キャビティーのアルミシールド

Wiring completed

コントロールキャビティーの蓋の裏側にもシールドを貼り付け、キャビティー側のシールドと接触させて回路全体を包み込む形にしました。
Cover of Control cabity

下の写真は電装系が完了した状態
Circuit Modify completed

Volume 、 Tone 、 Pickup selector は下のような配置です。

Volume, Tone, Selector Switch layout

トーンポットのスイッチ切り替えによるコンデンサー.002 と .015の音の差は大きくはありません。
微妙な出音の差は感じられます。
 .015 の方がより自然な音、.022 は少し加工したような音に私は感じられました。
まあ敢えて 2つの差を意識しての表現です。
Jason Lollar が .015 を好む理由はよく分かりました。

Stetsbar Tremolo を取り付けて完了
ピックガードとトラスロッドカバーもついでにプラスチックから木製に交換しました。
この見た目の部分の変更は音に関係なし。
Stetsbar reinstallation

交換したパーツと MOD 前後のギター
Before and after with changed parts
【 MOD した結果】
・汚い歪みはなくなりました
・アンプ直で使える音が出始めました
・シングルコイル特有のレスポンスの速い音です
・太さとブライトさを持ち合わせていて元気のある音
・音の芯があり、インストルメンタルでも使えます

以下の3つが総合的に効果を発揮したものと思います。
1) プリント基板をハンドワイアードに変更した効果
2) シングルコイルピックアップへの変更
3) スイッチ場所変更による配線材の総全長短縮の効果

また、
・ノイズが大幅に削減されました
・ピックアップがシングルコイルになったのに以前よりもノイズが少ない

シングルコイルにしたにもかかわず、ハンバックのときよりノイズが下がったのには正直われながらびっくりしています。以下の3つが複合的にノイズ低減に貢献していると思われます。
A) ラグ端子を使い、一点接地方式にした効果
B) コントロール・キャビティーのシールドの効果
C) スイッチの位置変更に伴う配線材の総全長短縮の効果

参考:
Gamps Project #2,#3 にかかった部品コスト
(銀行振込手数料と送料、配線材を省いた値段)

23,000円Pick up  Lollar single coil for hambackers
 8,000円Pick up DiMarzio Blues Backer
 3,200円 Pots CTS x3
  2,200円 Switch Switchcraft x1
  4,000円 Oil Paper Capacitors x2
24,000円 Stetsbar
     400円 Alminum sheet

計 64,800円也

ギター本体と同じぐらいの部品コストがかかりました。
しかし、
自分の理想のギターをオーダー製作するよりは遥かに安くついたと思います。

アンプのお仕事の予約がかなり先まで埋まっていて、
次はいつになるか分からないけれど、
ボディー、ネックだけをオーダーして後は自分で組み上げる
コンポーネント・ギターを作れたらいいなと思います。
木工は不得意で、一からギター製作はできないし、やろうとも思いません。
ひとさまの専門分野に踏み込むつもりもさらさらございません。

ただひとつ言えるのは電気回路はたとえギター回路でもきちんとハンドワイアードで真面目に作ったほうが音が良いということです。これは今回のプロジェクトで得られた貴重な体験です。