10月は73年製シルバーフェースの Deluxe Reverb のオーバーホールをしました。
千葉のMさまご所有です。
お電話でご要望をお伺いしているときに、大事になさっているアンプということで、こちらから SKB のアンプ・ケースの話をしましたところ、早速サウンドハウスでお客さまご自身が購入なさり、ケースに入れて送付くださいました。
このSKB ケースは12インチ・スピーカー1個を搭載したアンプならどれでも入るケースです。
ギャンプスも所有しています。機能は Matchless DC30 のプログで述べたとおり、内部でアンプをベルト固定し、外装が強い衝撃を受けてもアンプへの被害が無い優れものです。重量は他のどのアンプケースよりも軽い。大きさは少し大きめですが 2x12 用よりははるかにコンパクトです。
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SKB ギターアンプ・ケース 1x12 専用 |
送られてきたアンプはフェースプレートの痛みがほとんどなく、とてもきれいな状態でした。中の回路部分にカビが生えているということもなく、大切に保管されていました。
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Deluxe Reverb |
ただ過去に一度もアルミ電解コンデンサーの交換はなされておらず、キャップ・パンの中は電解液が噴出していました。
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電解液が噴出して固まった痕跡 |
噴出した電解液は電源配線にもこびりついていました。配線ワイアーが絶縁低下しているため、配線ごとオーバーホールしました。
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電解液が付着した配線材 |
ご要望によりオーバーホールをしつつブラックフェーシングの MOD を同時適用しました。オーバーホールと手間は同じため追加料金無し。
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ブラックフェーシングとオーバーホール |
このアンプはSpeed を1にしても ヴィブラートの揺れが早すぎました。理由は Speed Pot の値が本来 3MΩRA であるべきところ、 2MΩしかありませんでした。これを交換して通常の Fender と同じ Speed にはなりました。
オーバーホール時に揺れのスピードを決定づけるコンデンサーの値を調整し、通常の Fenderよりもさらにゆっくりと揺れる MOD を入れておきました。 追加料金不要。
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ビブラート回路のスピードを遅くするMODとオーバーホール |
プリアンプのオーバーホールでは Normal チャンネルと Vibrato チャンネルの両方にリバーブとヴィブラートを掛けられる MOD を同時適用しました。この MOD もオーバーホールと手間は同じのため追加料金不要です。
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両チャンネル共にリバーブのかかる MODとオーバーホール |
その他オーバーホールの内容は他のアンプと同じのため、ここでは省略概略にとどめます。
過去のブログを参照ください。
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オーバーホール概略 |
真空管はノイズ・レベルの高かった V4 の12AX7 一本を交換しました。
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バイアス調整とテスト |
お客さまには下の写真のように詳細な写真入りレポートをお送りしました。
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お客さまにお送りした修理レポート |
以上 10月のお仕事でした。
良きギターライフを
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