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2016年12月10日土曜日

Bias modulation tremolo

【Princeton Reverb Tremolo, vibrato】
【プリンストンリバーブのトレモロ、ヴィブラート】


Speed, Intensity knob of Princeton reverb  

プリンストン、プリンストンリバーブのトレモロはデラックスリバーブやツインリバーブ等のトレモロとは回路が少し異なります。

そのために、扱い方でどこが違うかというと
デラックスリバーブやツインリバーブのトレモロはバックパネルにフットスイッチを繋いでオンしてはじめて効きます。

対してプリンストンはフットスイッチを繋がなくても Intensity のつまみをあげれば揺れ始めます。
Foot Switch Jack

音質も異なります。
デラリバやツインリバーブのトレモロは揺れるときに原音の音色(高域)が少しだけ味付けされた感じです。

対してプリンストンのトレモロはもう少し自然で、原音に味付けすることなく揺れている感じです。
揺れ方もダイナミックです。

差は回路の違いからきています。

デラリバやツインリバーブのトレモロは「真空管をわざと発振させ作り出した電圧の揺れ」を、LDRという素子内で光の点滅信号に変えます。次に光の強弱に連動して抵抗値が変化するLDR の内部の抵抗をプリアンプの出力にかませることにより、プリアンプ信号を揺らします。
LDR とは Light Dependent Resistor の略で、光により抵抗が変化するという意味です。
LDR は別名 Opto Coupler (光結合器) とも呼ばれます。

プリンストン・リバーブのトレモロの方式は、ネット上では Bias modulation tremolo ( バイアス・モジュレーション・トレモロ ) という呼称です。「真空管をわざと発振させ作り出した電圧の揺れ」をアンプのバイアス回路にぶちこみます。つまり、バイアス電圧が一定ではなく揺れることにより、パワーアンプの音そのものを揺らす方式です。

下図 デラリバの回路の一部、LDR と繋がった Intensity がプリアンプ出力に繋がっています
Deluxe Reverb Tremolo circuit using LDR
 下図 Intensity はパワーチューブのバイアスに繋がっています
Princeton Reverb Circuit using bias modulation

ギャンプスのウェブサイト、ギターアンプの技術情報からリンクしている
ギターアンプのヴィブラート(トレモロ)というページはLDR 方式のトレモロについて述べています。

Bias Modulation Tremolo については書いていませんでした。当ブログに技術情報として掲載しています。

【Bias Modulation Tremolo を使っている Fender のアンプ】
プリンストン・リバーブだけが Bias Modulation Tremolo ではありません。
以下に主なものを列記してみました。

a) バイブロ・チャンプ ( Vibro Champ)
ブラックフェースもシルバーフェースも共通

b) プリンストン、プリンストン・リバーブ ( Princeton, Princeton Reverb )
ブラックフェースもシルバーフェースも共通。ブラウンフェース 6G2も。
'64 リイシューも。

c) 6G3 デラックス ( Deluxe )
ブラウンフェースのデラックスだけは Bias Modulation。

d) トレモラックス ( Tremolux )
6G9 ブラウンフェース
訂正: ブラックフェースはLDRです。


e) 6G11 ヴァイブロラックス( Vibrolux )
ブラウンフェースはBias Modulation です。
訂正: ブラックフェースはLDRです。

f) 6G16 ヴァイブロバーブ(Vibroverb)
ブラウンフェースのバイブロバーブはBias Modulation です。
'63 リイシューもです。

'64 リイシューはLDR です。
Vibroverb は AB763 回路の時点でLDR 回路に変更されています。


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