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2017年12月25日月曜日

Deluxe Reverb Clone using 5E3 Cabinet

この記事は完成まで少しずつ、アップデイトしていきます。

11月末に

東京の O 様から Weber 製の 5E3用 キャビネットが届きました。

ご要望は「このキャビネットで デラックスリバーブを作ってほしい」 

注) 5E3 = Fender のツイードデラックスの回路識別子


キャビネットをお預かりするものの、

心臓部のシャーシーと電気回路はギャンプスが製作します。

見た目、外観は 5E3 、実際の回路は AB763 となります。

注) AB763= Fender ブラックフェース Deluxe Reverb 回路識別子

今回お預かりするのはキャビネットだけです。

あとは当方で作成するため、お引受けしました。


【1】キャビネット

梱包を解いたところ

トーレックスはツイードで、
グリルクロスは明るいベージュ系です。

なかなか良いデザインです。
5E3 キャビネット Front View

5E3 キャビネット Rear View


【2】スピーカー

スピーカーは Weber 製 12A125A が付いています。

Alnico マグネット 、8Ω- 30W 耐圧でデラリバに合います。

しかし、2つほど解決しないといけない問題があります。
Weber スピーカーのラベル

Weber 12A125A

【問題1. Bell Cover がキャビネット内部容積を狭くする】

Weber のアルニコ・マグネット・スピーカーにはベルカバーが付いています。これがキャビネットの容積を占領します。ベルカバーとキャビネットの背面との間のクリアランスが狭く、この位置に真空管等を配置することはできません。部品のレイアウト設計時に制約を受けます。


Bell Cover による弊害
ベルカバーの付いていないアルニコスピーカーやマグネット形状の小さいネオジウムスピーカーであれば、この制約は起きません。

解決策はなく、作成するアンプ回路側で工夫し、この狭い空間で上手く回実装することが必要になります。

 【問題2. スピーカー端子の向き】
スピーカー端子が真上に来る位置に取り付けられています。
本当によくある、あたりまえな付け方なんです……しかし……

この状態のまま電気回路とトランスの搭載されたシャーシーを取り付けるとします。
すると、丁度このスピーカー端子のすぐ近くにトランスが存在することになります。
トランスは強力な電磁波を発生させます。スピーカー端子に繋がっているボイスコイルは電磁波の影響によって不要なノイズを発生させてしまうことかぜ多々あります。

これは必ずそうなるとは限りません。しかし、このまま放置するのは、毎回、黄色信号の横断歩道を歩いて渡ることと同等です。

解決策はトランスの来る位置からなるべく離れた場所にスピーカー端子の位置を決めてやることです。

問題の起こりにくいスピーカー端子の位置


【バックパネルへ電磁シールド取り付け】 2017/12/04

網目金属をバックパネルに取り付けます。

電磁波は格子状の金属を通り抜けることはできず、エネルギー拡散します。

この性質を利用し、内部回路を外部の電磁波からシールドし電気的に保護します。
網目状のアルミを適当な大きさに切断



バックバネルのシールド取り付け完了
 
【シャーシーの選択】 2017/12/05
回路を製作し収納するための金属シャーシーを選びます。
以下の条件に見合うものを在庫の無垢シャーシーの中から選びます。

・キャビネットに納まるサイズであること
・AB763 の回路に必要な部品が納まるサイズであること
・懸架したときに、スピーカーのフレームやベルカバーと接触しない大きさであること
・デラリバの4個のトランス PT, OT,CT,RT の全重量をしっかりと受け止められる剛性があること

シャーシー候補



大きすぎてスピーカーのベルカバーと干渉し合うアルミのシャーシー



アルミシャーシーよりは小ぶりであるものの鉄製で頑丈なシャーシー

Hammond 製の鉄シャーシーはなんとか条件をクノリアしました。

かろうじてスピーカーのベルカバーに触れない

シャーシーをキャビネットに仮取り付けし、トランスとスピーカーの位置関係をチェックし、電気的に問題ないかを検証しました。


シャーシーをキャビネットに仮組立

【シャーシー加工】  2017/12/07/

シャーシーの選別が終わったら、トランス、真空管ソケットなどの基幹部品を取り付けるための加工を行います。
シャーシーパンチやハンドニブラーを使い、穴あけをしていきます。
シャーシーパンチで穴あけ

【シャーシー加工終了】2017/12/11
シャーシーの加工が完了しました。
部品を取り付けて予想通りに組み立てられるか検証します。

シャーシーと部品を組み立て

【回路ボードの設計と製作】2017/12/12

1. 電気部品を載せてハンダ付するための回路ボードの設計をします。
2. 最適なレイアウトを実寸大のボール紙に描きます。
3. レイアウト図を無垢の回路ボードに貼り付け、その上からドリルで穴あけをします。

Drilling Circuit Board
4. 穴にアイレット(ハトメ)を打ち込みます。
 このアイレットに部品の足を入れてハンダ付します。


Installing eylets


5. 完成した回路ボードをレイアウト図を参照しながらインスペクションします。
Eyelet Board completion and inspection


【回路ボードの部品組付け】2017/12/13

抵抗・コンデンサー・配線材を回路ボードに搭載して組付けています。
 
Parts assembly

【部品組付け完成】2017/12/16
ボードへの部品の組付けがもう少しで完成します。
Parts assembly almost complete
 【ポットやスイッチの取り付け】2017 12/19
シャーシーにポット、スイッチ、ジャックを取り付けました
Assembling pots and switches
 操作パネルのレイアウトは左から、
インプットジャックⅠとⅡ、音量、高域、低域、リバーブ、
スタンバイ・スイッチ、電源スイッチです。

Control Pannel layout

【真空管ソケットとポットと回路ボードの接続】2017/12/22

回路ボードと真空管ソケットやポットを配線材でつなぎました。

Connecting pots with circit

【ヒーター配線】2017/12/23

Board connection completed
真空管ソケットのヒーター配線をつなぎました。
Heater wiring
 ボードの接続が90% 完了しました。

【電源トランス(PT) の取り付け】2017/12/24

電源トランス(PT) を取り付けました。
電源トランスはアンプの部品の中で最も重く、一旦シャーシーに取り付けてしまうと、シャーシーの取り回しがしずらくなります。そのため、なるべく後の工程で取り付けます。

とぐろを巻いている電源トランスの配線材を一つずつ整理しつないでいきます。
Installing PT

【全てのトランス配線の完了】2017/12/26

電源トランスの配線完了
出力トランスの配線完了
チョークトランスの配線完了
リバーブトランスの配線完了
Transformer wiring completed

当アンプに使用したトランスノ型番は下記のとおりです。

PT 電源トランス MercuryMagnetics FBFDLR-P/E
OT 出力トランス MercuryMagnetics FBFDR-O
CT チョークトランス Hammond 194A
RT リバーブトランス MercuryMagnetics FBFRT
Transformers on this amplifier


ここからようやく本格的なテストに入ります。

来年初頭から電気を入れ、各種電圧測定と安全確認テストです。

万一テストで不合格となると、軽微な作業やり直しから大規模な回路ボード作り直し、シャーシー作り直し等も視野に入れ万全を期す予定です。

テスト合格の場合、バイアス調整を行い試奏テストを行う予定です。

































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