ギャンプスのオリジナルアンプ 2510 にはプロトタイプが存在します。
2510 OD を完成させるために製作した試作機がプロトタイプです。
プロタイプは不要な機能があったり、必要な機能がなかったりと
そのままでは使いずらいアンプでした。
今回は、このプロトタイプを「使えるアンプ」にリニューアル
することにしました。
① Reverb 外します
AB763 回路をベースとし、きめ細かなハンドワイアード配線を施すと、豊富で潤沢な倍音に恵まれるアンプになります。このことがある種「リバーブ感」という言葉のとおり豊かな響きを生み出し、敢えてスプリング・リバーブを通さなくても音創りが可能となります。
スプリング・リバーブが付いていると、多少雑に弾いてもそこそこの音質が出せてしまいます。言い方を変えると音の個性が均質化される方向に行きます。弾き手の個性やギターの個性が生かされずらいという欠点があるため、リバーブは外すことにしました。
特に練習用アンプとして使用する場合、このことはとても重要です。音が均質化され、下手に弾いてもその欠点が隠されてしまうと上達の妨げとなります。
② 2つのプリアンプを作り、各々独立したボリュームとトーンコントロールを持たせます。
③ 2つのプリアンプ間をフットスイッチで切り替えられるようにし、ライブでの操作性を向上し、使い勝手を高めます。
Volume, Treble, Bass, Middle, Master Volume の6つのコントロールつまみを2重化し、瞬時にA から B へ、B から A に切り替えられるようにします。
随分前に、あるギタールシアーさんから「2つのマスターボリュームをスイッチングで使い分けられないか」という相談を受けたことがあります。小さめの音で弾いているリズムギターの音質をできるだけ変えず、マスターだけ上げた音圧でリードをとりたいということでした。(そのときは既成のアンプの改造というテーマでオリジナルアンプのように設計自由度が低くお断りしました。)
今回はギャンプス・オリジナルアンプであり、チャンネル毎にマスターもスイッチできるようにしています。そのため、あらかじめチャンネルAとBとで同じ音質になるようにトーンスタックを微調整しておけば、マスターの差だけを味わうことも可能となりました。
2510 プロトタイプのキャビネットはそのまま流用 |
コントロールパネルの MOD |
約2ヶ月かけてじっくりと回路の Modify を行いました。
回路のMOD |
MOD後の回路 |
当アンプはもうプロトタイプではなくなりました。
モデル名は 2510 DP ( Dual Pre ) です。
音は後日 Youtube にアップします。
狭いスペースに少し回路を詰め込みすぎました。
2つのプリアンプのコントロールノブ 全部で10個を搭載するにはシャーシーのスペースに余裕がなくレイアウト設計的にみると少し問題があります。
結果として 2510 OD にくらべ若干ノイズが多めとなってしまいました。
そのこともあり、当アンプは現在は非売品です。
私のギター練習のお供とします。
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